TNTCとは

TNTCは「Too Numerous To Count(測定不能多数)」の頭字語で、微生物の定量試験においてコロニー数が非常に多い状態を表す際に用いられます。FDA BAMやUSDA MLGに見られる表現であり、近年では日本国内においても主流になりつつあります。

プレートあたりのコロニー数が適正測定範囲(例えば300コロニー)を超える場合、そのプレートの信頼性は低くなります。複数の希釈段階のプレートの結果から菌数を計算する際には、信頼性の低いプレートは除外されますので、適正測定範囲を超えた結果の記録は重要ではないと言えます。ただし、適正測定範囲内のプレートが他に得られなかった場合には、適正測定範囲を超えるプレートを採用する必要があり、結果を記録しておく必要がないとは言えませんし、試験の経過を残すこと、トレーサビリティという観点でも、記録は必要かもしれません。

まずは、各試験室において、結果の記録の方針を明確にすることをお勧めします。結果を記録する場合には、推定値を算出する方法、適正測定範囲を超える(例えば>300)と記載する方法、そして、TNTC(測定不能多数)と記載する方法が主に用いられます。これらは一律に定められるものではなく、試験の目的や参照する試験法に応じて最適な運用は異なります。

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